前置き
実は今、学校(職業訓練校)で、電工2種試験に合格するためのお勉強会といいつつ、放課後、実質「講義みたいなもの」を行ってます。
理由は、新しく入った4月生の方々が授業を受けて「え!?電気ってこんなに難しいの?やっぱり無理だわこれ」と思ってあきらめてしまったらあまりにもったいないし残念だから、ここは自分の知ってる知識を無償提供してみよう、という意図からです。
電工2種学科試験のレベルは高くない?
ところで、電工2種(第二種電気工事士)の試験のレベルというのはどれくらいか?というと、受かるだけなら学科試験の部分はそう難しくありません。
自分が直近でやってきた資格試験の難易度ランキング的にはこんな感じです。(学科のみ)
危険物乙4=電工2種(学科)<2級ボイラー技士<消防設備士乙6<消防設備士甲4<医薬品登録販売者
(だからホント、ドラッグストアにいる医薬品登録販売者の名札付けてる人には一目置いた方がいいです。取るの大変ですからあれ)
どうして、消防設備士やボイラー技士に比べて電工2種の学科試験は簡単かというと、消防やボイラーは各章での最低得点率が決められていたり、消防設備士だとマークシートではない記述式があるから。
それに比べて、電工2種試験は、とにかく50問中30問、つまり6割正解すれば何で取ってもいいわけです。全部マークシート。
だから、電気のことを本当にきちんと理解ようとすると本当に大変なのですが、「手段は選ばず合格する」ということに限って言えば、難易度は低くなる」ということです。
そんな中、あるサイトにこんな記事を見つけました。
計算問題なんて捨てたところで、他でカバーできるよってことです。
(実際知り合いで計算問題基本捨てても第2種電気工事士どころか第1種電気工事士試験も合格してる人を知ってます)
苦労して苦労してやっと解けた1問と「この工具の名前は何?」「このコンセントはどういう種類?」というのに回答するのと得点が一緒なのですよ。
計算問題・・・捨てるのか?捨てないのか?
では僕は何のために計算問題の講義をしたか?ですが、「時間をかけないで取れるなら捨てなくてもいいから」です。
電工2種における計算問題の取り組み方は次の3択です。
- 1.計算問題を計算して解く
- 2.計算問題は捨てる
- 3.計算問題をほぼ計算しないで解く
僕はこの「3番」をお勧めているのです。
「え?計算問題を計算しないってどういうこと!?」
過去問の一つを例にとってみる
例えば、この問題。ざっと2020年から2022年までの過去問10回分見たところ何回も出ている問題の一つです。こんなやつ。
で、この解法を、みんな大好きホーザン株式会社の山内さんは動画でこうやって解説してます。
(HOZANの動画は本当にわかりやすくていいですよ!実技なんてこれだけでかなり上達できますよ)
そうなのです。あの山内さん(きっとかわいいはず♪)をもってしても、この解説にこれほど時間がかかってしまうのです。(3分26秒から11分20秒まで!!)
で、僕がさっき書いた「計算しないで計算問題の正解だけ出す」とはどいうことでしょう?この問題を例にやってみます。
まずこれは抵抗の問題です。抵抗とは書いて字のごとく「じゃまするもの」です。「無駄な抵抗をやめろ」とか言いますね。記号はR。resistance からきていると思っています。
そしてこれをトンネルに例えるとしましょう。しかも中は泥だらけで歩きにくいような。すると次のことが言えます。
- トンネル(管)が長いと抵抗は大きくなる。長さ2倍なら2倍になる。つまり比例する
- トンネル(管)が広い(断面積が大きい)と抵抗は小さくなる。広い方が通りやすいので。反比例。(ただし!反比例するのは面積で、直径(とか半径)が2倍になると、面積は2の2乗倍で4倍になることに注意!
ってことです。これはオームの法則の並列回路を理解したいするのにも使います。
上の問題で、Lってのは長さ(length)なので、長さに比例です。2乗してる選択肢がありますが意味わからないですね。よってそいつら(ロとニ)は除外。
残ったもの中でDが2乗されてるものとただのDのやつがあります。あとなぜか突然4という数字が全部入ってますね。
まずD²のやつは直径を2倍してるのではありません。Dが直径なら半径は半分なのでD/2です。で、円の面積は半径×半径×π(パイ 円周率)ですから、結局D²/4となります。 なぜDが2乗されてるのかというのと、突然4が出てきたわけがわかりました。
あと、10⁶が出てきてますが、これは長さの単位合わせのためで、だいたい選択肢全部に入ってるから無視でいいです。
結論いうと、結局この問題の解き方は
・まずLに2乗(L²)のマークが入ってるやつを除く
・残ったものからDに2乗(D²)のやつを選ぶ。
正解は イ になります。
こうやって正解を導き出せます。いやこれが未来永劫使えるかというとわかりません。出題の傾向を変えて、D²が出てくる選択肢が複数で別の場所が異なったりするケースもあるかもしれませんが、とにかく直近10回分で出てくるこのパターンの問題は全部これで行けるのです。
まとめ
どうでしょうか?
そうです。これが「計算問題を計算しないで解く」ということなのです。
「だったら、こんな長い説明いらないよ。結果だけわかればいいよ」という人もいるでしょう。
でも僕は基本的な根拠は理解していた方がいいと考えます。抵抗は長さに比例するし、直径や半径の2錠に反比例する、ということを。なぜならそういった知識は、必ず他で役に立つからです。
さて、今後もこの手のやつを記事にするかどうか、考え中です。図を書かないとだめですね。動画が早いのはわかってるのですが。
それでは!
コメント