ドラックストアへようこそを読んで【登録販売者】

ドラッグストアへようこそ という本を読みました。
これは、かなり昔に書かれたもので、著者は昔製薬会社で働いていた薬剤師です。
定年となり、畑毛で野菜作りをしたりしていたが物足りなくなり、自分の持っているものを活かせるかも知れない、とドラッグストアで働くすることにしたようです。そうしたら・・

想像以上にお客様は薬の知識をもってない(または勘違いが多い)ということがわかったようです。
本の内容はほとんどがお客様とのやり取りの記録です。(というか基本は全部そう)
その会話後に著者の考え方などを記しているものです。
さて、なぜこの本を「資格」のカテゴリに入れたかというと、登録販売者試験合格を目指す人によってはとてもよいものではないかな?って思ったからです。
ただテキストを読んだり問題を解いたりするより、実際ドラッグストアに足を運び、薬の箱を手に取るほうがものは覚えやすい、とは前に書いた気がするのですが、この本の良いところは自然とこの会話の中からいろんなことが学習できるということです。
ちょっと抜粋します(妊婦・授乳婦のあたり)。
「妊娠5か月ですが葛根湯を飲んでも大丈夫でしょうか?」
「葛根湯には麻黄という生薬が入ってるので妊婦にはよくありません。柴胡桂枝湯などがよいと思います。」

「妊娠後期ですが、便秘がひどいので何かいいものがありませんか?コーラックはだめですか?」
「作用が強いので穏やかな塩類下剤のミルマグをお使いください」

「母乳をやっているが、頭痛薬が欲しい。どんな薬を使ったらよいですか」
「アセトアミノフェン含有薬のタイレノールを使ってください」

子どもが3か月ですが、便秘気味で困っています。何か幼児向けの便秘薬はありますか」
「マルツエキスがあります。乳と一緒に飲ませてください。」


と、終始こんな感じです。で!そのあとに著者の解説などが入る。例えば
「漢方なら安全と思っている人がいるが、(こういう方たちの場合は)麻黄が含まれている葛根湯や小青竜湯、麻黄湯はよくないので、それらの生薬を含まない柴胡桂枝湯や麦門冬湯などをすすめることにしている」といった具合。
また、上記の子ども便秘薬で、マルツエキスという薬が出てくるところでは、その解説がページ下部に必ず出てくる。この場合は「マルツエキス 麦芽糖を60%以上含有した便秘薬。発酵作用で便通を整える」といった具合に。
これは、すべてのページにわたっているので、出てくる薬の分の解説がついている。

だから、ただただテキストを読み込むよりなんというか「リアルを感じられる」から、記憶を定着させやすいような気がします。

平成19年の本で、ちょうどこれから登録販売者制度が始まる前くらいだから情報は古いかもしれない(生薬とか各薬の成分は問題ないのですが、薬品の商品名は変わっていたりなくなっていたりするかもしれないし、もっと適切な新薬がでているとも思われます)のですが、これから試験を受ける人、また登録販売者であってもなくても実際働いている人にとってはかなりよい参考書になると思います。

そう、あと気づいたのはどの仕事でもサービス業だとホントお客さんの勘違いってありますよね。
僕も前職ではそういうことがちょくちょくありました。
お客様が何かを勘違いして覚えている場合。地名だったり店舗だったり・・・。
で、そんな時「わかりません」「そんなお店はありません」ではだめです。土地勘がない相手・・・何か勘違いしているかもしれない、と思っていくつか質問して探ってみると結局覚え違いだった、ってことが分かって情報提供ができるケースは結構あります。

ドラッグストアでもいっしょですね。ただ、ドラッグストアの場合は提供するものが薬なので間違えが許されないケースも多々あると思います。

それと、この人は「田舎のドラッグストア」での日誌なので、一時期病院がお年寄りのサロンと化している、なんていう話もありましたけど(今でもそうかもですが)お年寄りにはお店に行って店員さんとお話をしながら商品を選んだりするのを楽しみにしている人も多いようです。
すごく忙しくて他のお客様の迷惑になってしまう、という場合は仕方ないと思いますが、余裕のある時は対応してあげるのもいいなぁってこの人の日誌を読んで思いました。

長くなりました。これから試験の人、がんばってください!


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